あの頃の僕はAE86だった

ダートトライアル

もし、このブログの古い記事を読んだ方なら、かつてはAE86で走ったダートトライアルの様子と模型の話題ばかりだったことに気が付いたと思う。

ダートトライアルを引退したのが2013年で、山や自然の話題が多くなったのは2014年頃からだ。

10年以上を経て徐々に記憶が薄れてきているが、どんな車だったかここらで少し書き留めておこうかと思った。

あのAE86は2020年の年末くらいに手放している。

競技引退後の7年間はたまに乗るくらいで徐々に接する機会が減り、車検はとっていたものの維持費だけが嵩む状態になっていた。

保管は青空駐車だしこのままでは朽ちてしまうかもしれないので、乗りたい人に譲った方が良かろうと手放す決心をした。

思えば色々手をかけたがあの頃は時代も良くて、始めた頃は安全装備と足回りぐらいしか改造できなかったが、次第にレギュレーションが変化し最終的にはJAFのB車両(一般の車検に通ればナンバー付きでもかなりの改造ができる)に該当する車両となった。

エンジンは4バルブの4A-Gだが、ブロックはAE101、クランクとシリンダーヘッドAE92後期(持ってた物の組み合わせ・・・)で圧縮比12:1、スロットルはAE101の4連。ピストンやカムシャフトはTODAでIN272度とEX288度、インジェクターは3S-Gターボ用をPowerFCで制御。Max9000rpmだが乗りやすさを重視して割とフラットトルクな特性で仕上げた。(知らない人には呪文だな)

出力はダイノパックで150馬力ぐらいだったので、ローラーシャシダイ換算すると180馬力ぐらいだったと思う。

駆動系はTRDの3速クロスにファイナルは5.375だったが、移動の高速道路で100km巡航すると4000回転以上回ってたか?

リヤサスは途中から「等長リンク」に改造。リヤシートの部分にアッパーアームの取り付けがくる。僕の車はさらにパイプで左右連結してセンタートンネルにも溶接して補強。

ちなみに「等長リンク」はリヤサスのアッパーアームをロワーアームと同じ長さに(長く)する改造。アームが長くなることでサスペンションの動きがスムーズになる。

車高はノーマルに近いので、サーキット用よりはアームの取付ポイントが下になる。(おかげで取付の箱はシャシのフロアメンバーめがけて直線的になったので、強度的にも良さそう)

この車は当然改造車検で通している。昔はスプリングとショックアブソーバー交換すると改造車検だったのだが、その時に「懸架装置」で改造扱いになっているのだ。(その後は上記変更だと「緩衝装置」になった模様)つまり上の写真の様な改造をしても懸架装置の改造なので車検は通った。(今は知りませんよ・・)

これが抜群に効いて、全くトラクションが違う。一般道を加速するだけでリヤがものすごい沈んだので、慌ててショックを固めた程だ。

そのショックは「MAGIESPORT OHLINS」の特注でFRはノーマル形状だが倒立式、Rrは別タンク式

スタビはウレタンブッシュだが、その他のサスペンションブッシュはピロボールに変更した。(全部CUSCO製)

エンジン/ミッションのマウントも強化品だが、ステアリングラックのブッシュは当初TRDの強化を使っていたものの、あまりにすぐ切れるのでノーマルに戻した。

他にも書ききれないほど色々やったが、ダート用なので脚はしなやかだし乗り心地はまぁまぁ良かったんですよ。「腰にクルゥ〜」とか全然ない。ただしギヤノイズは車内にギャンギャン響きまくってたなぁ。特にファイナルギヤね。

この車で主に後輪駆動車クラスで走ったが、最後の方はクラスが消滅したのでシビックやミラージュと戦った。協力してくれた皆さん、一緒に走った皆さん、ありがとうございました。とても光栄でした。

やめるきっかけは出続けていたシリーズが終わった事もあるが、最後になんだか妙に納得できたというか、満たされたというか・・スッキリした気持ちで最終戦を戦えた事だったと思う。

まだ車も運転技術もやれることは沢山あったと思うが、やりたい事はやれたという気がした。

昔々のWRCが好きで、大好きなFR車で楽しむことが最大の目的だったから。